ある悪魔の物語 第5章
画像に合わせて全年齢としています。
【注意】
文章はダークファンタジー設定のため過激な表現が含まれる可能性があります。苦手な方はスルーしてください。
文章は生成AI Geminiと共同で作成しています。
#アヴァマナ #ダークファンタジー #ストーリー #AI #ある悪魔の物語 #第5章
第5章:偽りの聖女と安息の毒
1
「あいつにヌいてもらうと……不思議なんだよ。昔、戦場で負ったあの耐えがたい古傷の激痛が、スッと消えるんだ」
薄暗い執務室で、幹部たちは不気味な報告に耳を疑っていた。
地下牢の管理を行っていた看守(元・傷病兵である男たち)への聞き取り調査で得られたのは、単なる不貞の報告ではなく、予想だにしない事実だった。淫魔の右手が与えるのは、強烈な媚薬効果だけではない。感覚を麻痺させ、痛みを掠め取り、圧倒的な快楽と安息へ誘う、人間がまだ知らぬモルヒネのごとき劇薬の作用。
「……悪魔の毒を『神の奇跡』として売るのだ」
修道院上層部の意思決定は早かった。淫魔の存在を秘匿しつつ、髪を安全かつ大量に収穫する完璧なシステム。表向きは『奇跡の癒やしを与える聖なる治療院』を開設し、死の恐怖と激痛に苛まれる高位の者や富裕な重病者を極秘裏に受け入れる。
「『汝の苦痛は神の慈悲により浄化された。ただし、この聖なる施術を口外すれば、神罰が下り即座に病が再発する』……そう誓わせれば、口を割る者などおらん」
悪魔の所業を、神の慈悲という衣で包む。絶望した人間から金と精気を根こそぎ貪る、真の邪悪が地下牢の上に築かれていった。
2
「おい化け物。今夜からこれを着て夜に来る『特別なお客』をもてなすんだ」
鉄格子が開き、無造作に床へ投げ出されたのは、白を基調に深みのある青と金の刺繍があしらわれた上等な衣装と、一端の眼帯だった。
「ふ〜ん? なにこれ、今度は聖女さまごっこ?」
アヴァマナは怒るどころか、面白そうに目を輝かせた。右目のあざ(つぶれた瞳)を隠すように眼帯を装着し、仕立ての良い服に袖を通す。腰布一枚だった悪魔が、一瞬にして可憐で清らかな「聖女」へと変貌を遂げる。
「へえ、似合うじゃない♪ ボクってば、何を着ても様になっちゃうから困るなぁ」
持ち前のノリの良さとイタズラ心で、アヴァマナはノリノリで衣装を整えると、服の裾を揺らしながら夜の客を待った。
3
暗がりからやってきたのは、これまでの欲望に塗れた雑魚看守(ミツバチ)たちとは違う、嫌な匂いをさせた男たちだった。病の腐臭、死への恐怖、そして縋るような祈りの混ざり合った、変な臭い。
「お願いだ……痛みを、この恐ろしい痛みを消してくれ……!」
アヴァマナが淫魔としてやるべきことをやって右手の毒を注ぎ込むと、男の苦悶に歪んでいた顔は一瞬で蕩けるような恍惚と涙に変わる。
「ああ……神よ! 苦痛が消えた! 奇跡だ、聖女様の奇跡の御手だ……!」
快楽と安息の泥に沈みながら拝み倒す男たちの姿に、聡明なアヴァマナは上層部の企みのカラクリで見抜いた。
(あははっ! なるほどねぇ! 上のやつら、ボクの毒手を『治療』って偽って、病気のカモから大金を巻き上げてるんだ!)
アヴァマナは怒るどころかバラエティに富んだ客が次々とやってくるこの仕事が楽しくて仕方がなくなっていった。
時には最期の瞬間を迎える客に優しく添い寝して看取ってやり、相手が望む通りの理想の「聖女」を演じてみせる。偽りの救いに涙し、絶望から歓喜へと移ろいゆく人間の悲喜こもごもの感情の変化を、アヴァマナは特等席で存分に味わい、楽しんでいた。
4
「おお、聖女様……! 我らが女神様……!」
崇め奉られ、すっかり救世主扱いされる日常の中で、アヴァマナは密かに次の悪戯を企てる。富と権力を持つ客の耳元へすっと顔を寄せ、毒含みの甘い声で静かに囁いた。
「ねえ……私をこの忌々しい呪符の呪縛から解放してくれたらさぁ、もっといいことしてあげる……♡」
狂信と依存に狂う人間たちと、強欲に目が眩んだ上層部。彼らをその手の上で踊らせる悪魔の笑みが、闇の中で妖しく揺らめく。
アヴァマナの呪縛が解かれ、真の姿を取り戻す日は——そう遠くないのかもしれない。
(第一部 完)