鈴木雫「それにしても、最近は異世界からの来訪者が多くなってきたわね。」
武田焔「そうだな。しかも種族も結構多いみたいだし、あたしも一度訪れてみたいぜ。」
鬼塚早紀「ほう、わっち達の住まう世界に行きたいというのか…。」
武田焔「やめた方が良いって言いたいのか?早紀ちゃん。」
鬼塚早紀「いや、別によせとは言っておらん。ただお主達が異世界の民と馴染めるか…わっちはそれが気がかりなのじゃ。」
鈴木雫「私は大丈夫じゃないかしら?吸血鬼は異世界にもいたはずだから、きっと馴染めると思うわ。」
鬼塚早紀「うむ、雫殿は心配無用だとわっちも思っておる。しかし焔殿は人間じゃろう?」
武田焔「確かにあたしは人間だが…何か問題があるのか?」
鬼塚早紀「問題という程ではないが、異世界には純粋な人間が1人もおらん。裕香殿も『異界人』という種族である事は、お主も知っておるじゃろう?」
武田焔「ああ、裕香ちゃんも普通の人間じゃないって事は知っているぞ。」
鈴木雫「要するに、異世界には人ならざる者しかいないって事よね?」
鬼塚早紀「その通りじゃ。人間である焔殿が異世界に馴染めるか、それを試す事となる。」
武田焔「つまり、試練みたいなものがあたしに課されるって事だな。だがあたしは一度挑戦しようと決めた事を諦めるつもりは毛頭ないぜ?」
鈴木雫「ごめんなさいね、早紀ちゃん…焔ちゃんは元々こういう性格なの。けれど根は真面目だから、せめてあなただけでも多めに見てあげて?」
鬼塚早紀「焔殿…それ程の覚悟を持てる人間は、お主が初めてじゃよ。そこまで言われてしまったら、わっちが返す言葉はもうない…それに、お主らも異世界の住民との交流があるとは噂に聞いておったからな。わっちはきっと馴染めると信じておるぞ。」
武田焔「分かってくれてありがとな、早紀ちゃん。」
鈴木雫「今度機会があれば、私達も遊びに行くわね。」
鬼塚早紀「ああ、楽しみにしておるぞ。」