ある日森の中くまさんたちに出会った
男は狩人であった。いや、ただ命を屠ることを好んでいただけであったか。それを名乗るにはあまりにも他の命を無駄にしていた。
ある山では囲うように火を放ち逃げ場のない動物を屠り。
ある川では毒を流し、魚を息絶えさせ、そして海を犯していた。
この森でもいのちを探していたその矢先、多種多様なくまがそこにいた。
開かれていたのはクマの会合。茶、黒、灰、白、白黒。くまもよく見れば違うものだ。そう感じた。
「しかし、獲物が大きい… そうだ…」
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刹那、くまたちは男の持つ爆弾に命を奪われた…
四肢は千切れ、体は吹き飛び、おびただしい血の池と肉がそこにできた。
そこへ通りかかった倫理観が欠如した心優しきマッドサイエンティストはくまたちの亡骸を見つけ直してやることにした。
しかしくまだった肉塊は元の形を留めている部分は少なく使える部分を集め一つにまとめることにした。
「さぁ!新しいお前のカラダだ...!」
目覚めたくまは己の身体に絶望した。親兄弟の四肢、友人の頭、様々なイキモノであったものから寄せ集めて作られたこの肉体…
くまは今日も彷徨い続ける。
狂った科学者を葬るその日まで…