(リビング)
武田焔「おっ、誰かと思えば葵ちゃんじゃないか。」
佐藤葵「あっ、焔ちゃん…こんばんは。」
武田焔「相変わらず葵ちゃんあたしの前だと緊張しているようだが…今日はなんか嬉しそうでもあるな。どうしたんだ?」
佐藤葵「少し前から鉄琴や木琴の練習をしていたんだけど、結構上達してきたんだ。それを偶然聞いてた子からも褒められて…確か…宮本茜ちゃんっていう吸血鬼だったかな?」
武田焔「あたしの好敵手の茜ちゃんが…?彼女はあまり他人を褒める事はないはずだったが…。」
佐藤葵「うん、あたしもそう思ってた。けれど、茜ちゃんに褒められたのは本当だったよ。」
武田焔「そうか…それは良かったじゃん。これからも頑張れよ。」
佐藤葵「ありがとう。焔ちゃんからも応援してくれて、あたしはとっても嬉しい!頑張るよ!!」
(テラス)
武田焔「おや、伊織ちゃん。こんなところに座り込んでどうしたんだ?なんか嫌な事でもあったのか?」
池上伊織「いや、そういうわけじゃない。ちょっと考え事をしていてな。」
武田焔「考え事?」
池上伊織「ああ、最近妹から紅茶の配達をお願いされるようになってな。ただ、その配達先にユリアちゃんの屋敷も含まれていて、屋敷の使用人に敬遠されないかと心配しているんだ…。」
武田焔「大丈夫だろ。伊織ちゃんが綾音ちゃんの姉である事をユリアちゃんは知ってるはずだから、そこまで気にする事はないと思うぜ。」
池上伊織「そうか、妹はユリアちゃんと面識があったな。妹の事を分かってないなんて、あたしは本当に駄目な姉だなぁ…。」
武田焔「だからネガティブな考えをするなって。悩みは抱え込んでたら解決しないぞ?」
池上伊織「それもそうか。」
(白のベッドルーム)
武田焔「茜ちゃん、こんなところにいたのか。」
宮本茜「誰かと思えば焔か。これから夜の怪物退治に行くから、その前に準備運動でストレッチをしていたぜ。隣の部屋にいる夏海も協力してくれるらしいぞ。」
武田焔「夏海ちゃんが加勢してくれるのは頼もしいな。あの子も普段から怪物退治に貢献してくれているって聞いてるぜ。」
宮本茜「そうか。ちなみに焔も怪物退治には行くんだろ?」
武田焔「当たり前だろ。あたしも茜ちゃんに置いてけぼりにされる訳にはいかねぇからな?」
(黒のベッドルーム)
武田焔「夏海ちゃん、これから茜ちゃんと怪物退治に行くって聞いたぜ。」
田中夏海「ああ、そうだ。焔ちゃんも行くのか?」
武田焔「もちろんだ。」
田中夏海「おお、それは頼もしい。最近、師匠との修行でまた新しい技を体得したんだ。今夜はそれをお披露目してあげよう。」
武田焔「新技か…それは楽しみだな。もちろん、あたしも頑張るぜ。」