葵ちゃん
/ グラフィティと少女
3PAY HIRO
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おしゃれな女の子を見掛けたのがモデリングのきっかけですが、他にも幾つかのネタが組み合わさって、一つの作品となっています。今回のモデルのサムネの背景にグラフィティを使ったのは、街中でグラフィティの写真を撮ったことや、グラフィティにまつわる、とある出来事が、心に残っていたからかもしれません。そこで、その出来事を膨らませて短編小説にしてみました。↓ 『グラフィティと少女』  Written by 3pay with chat GPT ある日、電車の中で五人の少女たちを見かけた。 三人は横一列に並んで座り、二人はその前に立っていた。 五人は、同じ制服に身を包んでいた。 きっと、いつもの帰り道なのだろう。 僕はその少女たちの隣に座っていた。 五人は、ときどき全員で話したり、二、三人だけで話したりしていた。 誰かが話すと、別の誰かが笑った。 そんな、ごく普通の女子学生たちの会話だった。 ただ、その中に一人だけ、少しだけ距離のある少女がいた。 話しかけられれば答える。 笑うところでは笑う。 けれど、自分から会話を始めることはほとんどなかった。 電車は一定の速度で走っていた。 しばらくして、その少女がふいに後ろを振り返って窓の外を見て言った。 「あの絵、私が描いたんだよ」 けれど、その言葉を聞いたのは僕だけだった。 少女たちの間では、特に反応はおきなかった。 誰かが別の話を続けていた。 僕は少しだけ気になった。 あの絵というのは、どういう絵なのだろう? 学校の行事のポスターかもしれない。 学校の壁に描かれた壁画かもしれない。 あるいは、駅の近くにある何かの絵なのかもしれない。 でも、僕は振り返らなかった。 知らない女の子が「あの絵」と言っただけで、僕まで振り返って確認するのは、なんとなく違う気がした。 少女も、それ以上は何も言わなかった。 電車は走り続けた。 そして僕は、少女の言っていた絵は一体どんな絵なのだろうと気にかかったまま、電車を降りた。 * それからしばらくして、僕はまたその路線に乗った。 あのとき少女が「あの絵」と言ったあたりに近づくと、僕は少しだけ窓の外を注意して見た。 絵を探していた。 道路に立つ掲示板のようなものはなかった。 大きな壁画もなかった。 学校の行事らしいポスターも見当たらなかった。 何もなかった。 絵と呼べるものは、ただ、道路脇にある配電ボックスのような灰色の箱に描かれた、小さなグラフィティがあるだけだった。 あまり上手なグラフィティではなかった。 むしろ、かなり下手だった。 線は歪んでいて、色もところどころ剥げていた。 あの少女が描いたと言っていた「あの絵」とは、これのことなのだろうか? そう考えると、少し淋しい気持ちになった。 こんなところに描かれた、誰が描いたのかもわからない小さなグラフィティ。 これが、あの少女の言っていた「あの絵」なのだろうか。 もちろん、確かめる方法はなかった。 * その後、僕は別の可能性について考えるようになった。 あの少女は、実はあのグラフィティを描いていなかったのではないか? ただ、そこにグラフィティがあることを知っていただけなのかもしれない。 そして、もしかすると彼女は、そのグラフィティのことを少し好きだったのかもしれない。 あるいは、そこに何か自分と似たものを感じていたのかもしれない。 だから「あの絵、私が描いたんだよ」と言った。 本当に描いたわけではない。 ただ、そう言ってみたかった。 自分に興味を持ってほしかったのかもしれない。 自分がここにいることを、ほんの少しだけ誰かに気づいてほしかったのかもしれない。 けれど、少女たちはその言葉を聞かなかったことにした。 会話はそのまま続いた。 もし、あのとき誰かが振り返っていたら、どうなっていただろう? もし少女たちが窓の外を見て、あの下手なグラフィティを見つけていたら。 「あれ?」 と誰かが言ったかもしれない。 その瞬間、少女は何か答えなくてはいけなかった。 「そう」と言うのかもしれない。 「違う」と言うのかもしれない。 あるいは、笑ってごまかすのかもしれない。 もしかすると、誰かが言ったかもしれない。 「また嘘ついてる」 そんなふうに言われることが、以前にもあったのかもしれない。 そう考えると、あの少女がどうして会話の中に入れずにいたのか、少しだけわかるような気がした。 もちろん、そんなことは起きなかった。 誰も振り返らなかった。 僕も振り返らなかった。 電車はそのまま走り続けた。 * 窓の外には、下手くそなグラフィティがあった。 それが誰によって描かれたものなのか、僕にはわからない。 あの時の少女が描いたのかもしれない。 描いていないのかもしれない。 あるいは、そもそも少女が言っていた絵は、あれではなかったのかもしれない。 僕が見つけたのは、ただのグラフィティだった。 それ以上でも、それ以下でもない。 それでも僕には、あの少女が一度だけ振り返って、 「あの絵、私が描いたんだよ」 と言ったことだけが残っている。 それは本当に絵の話だったのかもしれない。 あるいは、絵の話ではなかったのかもしれない。 誰かに気づいてほしかっただけなのかもしれない。 電車の中では、そういうことが時々起こる。 誰かが何かを言う。 誰も振り返らない。 そして、その言葉だけが、言った本人よりも長く残ることがある。 今日も電車は何事もなかったように、それぞれの目的地へと向かっていく。 Just as trains go by...

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